飛騨高山旅ガイド

1990年代後半、ピースランドがまだ高山駅前の通り、花里町にあったころ、リュックを背負い、自転車でやってきて、長時間立ち読みし、必ず何冊か本を買っていってくれるがっちりとした体格の男のお客さんがいました。初めてあったときは旅人かなという印象でした。ほぼ一か月に２度くらいのペースでの来店だったように記憶しています。
　ある時、近くの喫茶店ピッキンでやるライブのチラシを渡したところ、「このライブ行きたいんですけど、夜道を自転車で帰るのが大変で…」といいます。聞けば高山から約10キロ離れた清見町のレストランで料理長として働いており、いつも自転車をこいで来てくれていることが分かりました。
　「じゃうちに泊まればいいからライブに来てください」
　そこから原さんとの付き合いが始まりました。
　2000年頃、原さんは故郷の広島へと愛用の自転車で帰っていったのですが、その後も交流は続き、年に一度くらいはピースランドにやってきました。
　そのうち、好きで描いていたイラストの個展を広島のギャラリーでやるという知らせが来るようになり、10年前にはピースランドでもイラスト展を開催しました。
　昨年12月に、広島のギャラリー「カモメのばぁばぁ」での原さんの展示を見に行った時に、来年は久しぶりにピースランドでやりましょう、ということになったわけです。
　極端に簡略化された線によるイラストからは、ほのぼのとしたユーモアと温かみが伝わってきます。原さんの人柄に通じるものが感じられて観る人の心をなごませてくれます。
　ぼくもライブのために描いたチラシやライブ中に描いたスケッチなどを数点展示します。
この機会にぜひ原ワールドを楽しみにピースランドにお越しください。