飛騨高山「城山公園」で四季の景色を味わう森林浴&ピクニック

高山市の古い町並みから徒歩でも行ける「城山公園」は、遊具や売店のある二ノ丸を拠点に周回できるコースや本丸までのルートがたくさん。

気軽に行ける大自然で癒される森林浴♪そして春夏秋冬の素敵な景色を楽しめます。もしかしたら小鳥やカモシカに会えるかも⁉

今回はカメラ片手に何年も通い続けている私が、城山公園の魅力や穴場のビュースポットをご紹介します!

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飛騨高山「城山公園」で四季の景色を味わう森林浴&ピクニック

雪解けから春の花、そしてお花見♪ピクニック♪

遊歩道で春に咲く花を見て、公園で子どもとピクニック♪お花見でもお花見じゃなくても楽しい城山公園です!

長い冬を越え雪解けを迎えると、足元に春の花々が咲き始めます。

中でもセリバオウレンは春を連れてきてくれる花で、5~10センチのところに小さな白い花を咲かせます。

地元紙「高山市民時報」でも毎年開花のニュースが載る、知る人ぞ知る花ですが、観光の方には目につきにくいかもしれません。

開花時期は例年3月上旬頃ですが、2025年は積雪が多く少し遅れました。


春を告げるセリバオウレンの花、城山公園の駐車場入り口付近や遊歩道沿いなどあちこちで見かけることができますが、小さくて見落とされがちです


次はカタクリの花の群生です。遊歩道の途中にある大手門近くに、その群生地があります。咲いている斜面は西向きなので午後の方が日当たりが良いと思われ、みんなだいたい同じ向きで可愛いです♪

いずれの動植物も公園内での採取は禁止されていますので、大切に見守ってくださいね。



と、ここまでは私の趣味を押し出してみましたが、ここからは美味しい楽しみ方をお伝えします。

そう、春と言えば桜。お花見ですよね!

ですが、正直に言います。城山公園にはそんなにたくさんの桜がありません。そのため、7年ほどの写真データを確認したのですが、残念ながら二ノ丸の桜の写真は撮っていませんでした。

私が城山公園で好きな桜は、城山公園の坂の上りはじめにある案内看板のところ(旅館の向かい)の枝垂れ桜です。その上にある「喫茶すぎ」さんの枝垂れ桜も可愛いですよ。



そして、ここ城山公園には市民から愛される美味しい焼き鳥があります。

売店「むさし」さんの焼き鳥です♪こちらは店内飲食もできるのですが、過ごしやすい気候の時には外で食べるのがおすすめです。焼きたてのお皿に乗った焼き鳥を外で食べるのって最高ではないですか!?

広い芝生も藤棚の下のスペースもあるので、レジャーシートを持って行けば、くつろぎながら子どもたちが遊ぶのを見守ることができます。


もう一つ、私の裏技をお教えします!

むさしさんにはご飯がないので、家からおにぎりを持って行きます。すると、いつも余ってもったいないと思っていたおでんの味噌と一緒に楽しんだり、焼き鳥と一緒に楽しんだりできるんです。※むさしさんの詳細は後程お伝えします。


お花見について付け加えるとしたら、桜の咲くころの城山公園は大変混み合いますのでご注意ください。実は私はお花見以外の楽しみを知ってしまったので、あえて混み合う時に行くことはほとんどありません。少しずらした時期にピクニックを楽しむのが一番ゆっくりできます♪


公園にある遊具はブランコ、滑り台が二つの複合遊具、ターザンロープなどのほかに、砂場もあります。また、広場ではキャッチボールなどを楽しむこともできます。



城山公園で春に咲く花はほかにもたくさんありますが、高山市の花「コバノミツバツツジ」は必見です。濃いピンク色のツツジがあちこちに咲いていますので、ぜひ見つけてください。例年は4月下旬頃から見ごろとなります。

新緑が美しい初夏から夏へ

新緑の美しさも飛騨高山の魅力の一つ♪城山公園の遊歩道はずっと木陰に守られ夏でも散策を楽しめます♪
緑のグラデーションに癒されるウォーキングを楽しんだり、夏の白い花を見つけてみてください


モミジの一番美しい時は秋だとは思うのですが、モミジは新緑もとても美しいものです。坂道をモミジのトンネルが覆う様子は、心まで清々しくしてくれるように感じます。

実際、涼しいのも嬉しいですね。


周回コースの途中、大手門辺りの新緑も格別です。モミジが中心の緑の濃淡が目にも優しくとても癒されます。



大手門の中には栃の木(トチノキ)があり、白い花を咲かせています。夏は白や青、紫系の花が多いですね。ほかにもたくさんの花がありますのでぜひ探してみてくださいね。



これ、お花なんです!高さは5~10cmほど、名前はギンリョウソウ(銀竜草)といいます。 葉緑素を持たない植物です。別名はユウレイタケで、確かに少し暗くて湿気のあるところに半透明の真っ白な姿で出てくるので、幽霊っぽいですね。 周回コースの遊歩道の脇で見つけました。(5月下旬撮影)




こちらの白い花は、高さは10メートル以上!朴の木です。(5月下旬撮影)

飛騨高山の旅館の朝食などで有名な「朴葉味噌」はこの朴の木の葉が秋に落ちたものを使っています。

また、初夏に出始めの柔らかい葉に酢飯と具材を包んだ「朴葉寿司」も美味しいですよ。 どちらも飛騨地方の伝統食です。

葉の大きさは大きいもので30cm近くありますので、この花も相当な大きさです。とても良い香りが漂っています。ちなみに、花は白く美しいですが、実はとても不気味で少し怖い印象です。



最後にご紹介する花は、城に近い紫色の小さな花が集合している「コアジサイ」です。花の大きさ5~7cmほど。二ノ丸の駐車場付近でも見ることができますが、周回コースにも咲いています。(6月下旬に撮影)


さて、次にご紹介するのは…お城と言えば本丸。本丸への道のりです。城山公園には、周回コースから本丸へと通じる遊歩道のルートがたくさんあります。途中で合流する遊歩道も含めると7ルートほど。どの道を通っても周回コースに戻ることができます。




本丸には何の建物もありませんし、残念ながら市街地を望むことはできませんが、ベンチに座って休憩すると、静寂の中に鳥の鳴き声や風の音を感じることができます。その昔、当時の人も同じ鳥の声を聴いたのだろうか…と思いを馳せる時間はとても贅沢に思います。


写真に写っているのは当時3歳だった娘ですが、途中から抱っこしました。少し後悔しましたが、体力の乏しい私が抱っこしても登れるくらいの場所ですので、歩きやすい靴を履いていれば大丈夫です。ちなみに上の息子は2歳の時にはすでに自力で軽々と登っていました。



穴場の絶景スポット

高山市街の中心部を一望できる「如意ヶ丘」

飛騨高山の景色として有名なのが赤い「中橋」ではないでしょうか?

そんな中橋をはじめ、宮川にかかる橋を正面に一望できるのは、周回コースから古い町並み側に少し入ったところにある「如意ヶ丘」の東屋です。 城山公園から市街地を望むベストポイントと言えます♪

私は東屋までの道のりがなぜか大好きで、途中でたくさんの野鳥やニホンカモシカに出会うこともあります。

ぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

高山市街の中心部を一望できる「如意ヶ丘」

秋、城山公園全体が色とりどりの紅葉に彩られます

少し歩けばいたるところで美しい景色に出会える秋♪おすすめです!
あまり歩きたくない方でも紅葉は楽しめます


日本には紅葉の名所と言われる場所がたくさんありますが、ここ城山公園の紅葉も負けず劣らず見事だと思います。

紅葉が始まったころの緑から赤へのグラデーション、そして一面の橙色と赤色、さらに暗い林の中で色づく黄色の葉など、魅力がたくさんある城山公園の紅葉です。

見頃は例年10月の終わりから11月下旬頃までです。 11月下旬になると雪が降ることもあり、紅葉と雪のコラボレーションを見られることもあります。 




紅葉をいろいろな角度から撮っていると、ニホンカモシカに見られていてびっくり!なんてことも…。何度も出会ってはいますが、近くにいるのに気づかないでいて突然目が合うと本当にびっくりします。




ここ数年、大手門周りのモミジがなかなか赤くならず、黄色が中心なのですが、朝霧のかかっている様子は幻想的です。(2024年12月3日撮影) 


実りの秋には野生のニホンリスに出会うこともあります。クルミをくわえてどこに行くのでしょうか。動きが速いのでカメラに収めるのはなかなか難しいです。



そんなに歩かずに紅葉を楽しみたい、という方でも大丈夫です。二之丸にもたくさんのモミジやイチョウなど紅葉する木がたくさんあり、ピクニックしながら楽しむこともできます。


食欲の秋もやっぱり「むさし」

城山公園の売店「むさし」さんは、高山市民にとって大切なお店です。

「むさし」の由来はこの場所が標高634メートルだからとのこと。東京スカイツリーと同じ高さなんですね!


焼き鳥の美味しさは格別ですが、特製の味噌がかかったおでんや、自家製スープの中華そば、五平餅、みたらしだんご、枝豆や冷ややっこ、暑いときにはかき氷♪みんな大好きな味です。

中華そば(並)880円、おでん一皿550円、焼き鳥は3本550円で、焼き鳥は注文を受けてから焼くので、熱々を食べることができます。 ※いずれも取材時の値段です。


また、竹トンボや飛行機、シャボン玉、ボールなど公園で楽しめるおもちゃ、お菓子やドリンクにアイスクリームもあります。

店内には4~6人がけの椅子テーブル席が4つ、お店の前にも4人掛けの椅子テーブル席があり、公園内でも食べることができます。


◆営業時間:10時頃~16時頃まで(天候等により短縮の場合もあり、雨天時はお休み)

◆12月中旬ごろ~3月下旬まで(積雪がある間)は冬季休業

◆電話番号:0577-32-0634

※2025年から価格改定されています。

実は冬こそおすすめな城山公園遊歩道

城山公園の冬、雪が積もっても遊歩道を訪れる市民は多く、さまざまな楽しみ方があります

告白します。私が一番好きな城山公園の季節は冬です。

一番には雪景色の美しさ、そして雪に音を吸収された静寂と雪を踏みしめる音、動物の足跡、冬でも元気な鳥や動物たち…。

広葉樹が葉を落としていて、雪の白さも手伝って野鳥に出会いやすいこともあります。何度通っても一期一会の景色に出会えます。


ある程度積雪があってもいつも誰かが歩いているので、雪に埋もれて歩けないことはほとんどありません。また、駐車場は除雪されており、お手洗いも快適に使えます。ただ、車の場合は積雪があると公園までの坂道が危険ですのでご注意ください。冬用タイヤ着用の上、無理はしないでくださいね。

積雪のある間(12月上旬~3月下旬頃)はむさしさんは冬季休業されます。



特に、雪が薄く積もった日の朝、朝陽が差し込む時間に行けると最高です。

日が当たると雪が枝からこぼれおちてきます。



この写真には誰も写っていませんが、周回コースを1周する間に平均で10人ほどの方と挨拶を交わします。 枝から雪が落ちてきますので帽子が必須です!防水の防寒具もあると良いですが、乾いた雪なら払えば落ちます。積雪がある場合は滑りにくい靴だと安全ですね。


子どもを連れて行っても楽しめますが、新雪があると必ずゴロゴロし始めるのでスキー服と手袋、防寒の長靴を推奨します。遊歩道沿いの広場には必ず雪だるまがいるので、誰かが楽しんで作ったのだなぁと思うと、幸せな気分になれます。 下の写真は、走っていって転ぶのを楽しそうに繰り返していた、いつかのわが子たちです。虫が苦手でなかなか散策についてきてくれないわが子たちもついてきてくれました。



城山公園での私の一番の楽しみは、野鳥や野生動物との出会いです。と言っても熊には会いたくないので気を付けますが、冬は熊も冬眠しているのである程度安心して歩けます。ちなみに、今まで一度も熊に会ったことはありません。

一番よく見る野鳥は「ヤマガラ」です。赤茶色のボディに黒い頭が特徴です♪たくさんいますが、よく見るとそれぞれ個性があって可愛いですね。

この他によく見かけるのは、ヒヨドリやシジュウカラ、コゲラなどです。金竜が丘の東屋には野鳥の紹介もありますのでぜひチェックしてみてください。



近年は住宅街などでも見かけられるようになったニホンカモシカ。できれば山で会いたい動物です。臆病なので動きを止めてこちらをじっと見つめてきます。おかげでカメラ目線の写真が撮り放題ですが、近づきすぎないように注意してください。この写真は望遠レンズで撮影しています。

たまに、角を曲がって出会い頭に遭遇することもありますが、慌てず距離を保ってください。こちらから向かわなければ攻撃してくることはありません。

私はニホンカモシカが大好きなので、どうかこれからも平和に過ごせることを願っています。そしてこれからも、たまに会えたら嬉しいです。


城山公園の情報

◆住所:岐阜県高山市城山1-1

◆アクセス:JR高山駅より車で約7分、徒歩で約20分

◆お問合せ先:0577-32-3333(高山市観光課)

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ライタープロフィール

しもや ゆかり
7学年差兄妹の子育て中で、2018年から始めたカメラが今ではライフワークです。
地元飛騨高山が大好きで、市内の身近な遊歩道などで自然、景色、動物やキノコをよく撮っています。スキーやカフェ巡りも趣味です。
今回の城山公園は特に大好きな場所です。
しもや ゆかり

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