奇跡の桜が郷土を見守る 高山市荘川町の魅力
中部の豪雪地帯として知られる岐阜県高山市荘川町。冬の厳しい寒さは夏の涼しさをも約束しており、近年は避暑地としても人気が高まっています。涼やかな別荘地の他、キャンプ場も整備され、高速道路のICからのアクセスも◎。四季の変化が鮮やかなひだ荘川の美しさ、楽しさをご紹介します。
ひだ荘川とは
名古屋より約120分
快適なドライブルートでICからアクセス良し

名古屋方面より高山市へ向かうメインルート、東海北陸自動車道。名古屋より約2時間、飛騨地方の最初の入り口として荘川インターチェンジがあります。途中に大きなSAもあり、気持ちの良いドライブを楽しめるぴったりの場所にあるのが高山市荘川町です。

この地方を代表する家屋 合掌造りから見てとれるように、中部地方では有数の豪雪地帯。温暖化の影響を受けてもなお身を切るような冬の寒さは健在です。

この冬の寒さを利用する寒ざらし蕎麦が地域の特産品で、蕎麦通がこぞって足を運ぶ場所でもあります。
冬の寒さは反面夏の涼しさを意味し、暑い夏を快適に過ごすことのできる別荘地としても知られています。避暑を楽しむ場所にも事欠かず、ダム湖や滝、花畑などの名所は訪れる人の心を癒します。
アクセスの良さが特徴の荘川町は高山の市街地からもほど近く、観光や買い物にも困りません。誰もが行きたくなる荘川町の魅力を1つずつご紹介します。
荘川桜
湖底に沈む故郷の記憶を繋ぐ「奇跡の移植」

ひだ荘川を語る上で必ず外せないのが「荘川桜」。御母衣ダムの湖畔に立つ二本の老桜のストーリーは多くの人々の心を揺さぶってきました。

昭和30年代、戦後日本の経済復興に不可欠な電力を確保するため、庄川上流部に「御母衣(みぼろ)ダム」の建設が計画されました。この巨大プロジェクトにより、荘川村の中野地区を含む5集落は湖底に沈む運命となります。
光輪寺と桜
照蓮寺と桜
激しい反対運動の末に住民との合意に達した直後、電源開発(J-POWER)の初代総裁・高碕達之助は、水没予定地にあった光輪寺と照蓮寺の境内にそびえる樹齢400年超の二本の老桜に目を留めました。村人たちの生活を長年見守ってきたこの桜が水に沈むのを惜しんだ高碕は、「桜男」と呼ばれた研究家・笹部新太郎や、熟練の職人たちに移植を託します。
世紀の挑戦 老桜の移植
当時、これほどの巨木を標高差50メートルも引き上げる移植は世界に例がなく、無謀な挑戦と囁かれました。移植のために多くの枝や根を落とした痛々しい桜の姿を見て、誰もがもはや以前のような姿を取り戻すことは難しいのではと危惧しました。

しかし、故郷を失う村人たちの心の拠り所として桜を遺したいという強い願いが結実し、老木は若芽をつけ徐々にその枝を伸ばします。そして奇跡は起き、二本の巨桜は現在の地へと甦ったのです。薄紅色の花を咲かせた梢を見上げ、離村した人々の気持ちはいかばかりだったでしょう。昭和45年春、世紀の大移植から10年の後のことでした。
荘川桜にまつわる人々
祖国の急成長を支える礎となった荘川村――そして湖底に沈む故郷の記憶を今も留める二本の桜。多くの人々が携わり世紀の大事業を実現させました。主要な役割を果たした4人をご紹介します。
- 高碕達之助
- 電源開発(J-POWER)の初代総裁。御母衣ダム建設にあたり5つの集落をダム湖に沈めるという苦渋の選択を下す。人情味あふれる人柄で粘り強く住民と話し合いを持ち、7年にも及ぶ交渉の末、合意。自然愛好家として知られ、光輪寺と照蓮寺の古桜移植の大号令を発する。
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- 笹部新太郎
- 「桜男」と呼ばれ生涯を桜の研究と指導に携わった。主なもので、大阪造幣局「通り抜け」の桜、江若鉄道近江舞子の「千本桜」、高槻「金龍寺」の桜、三重県湯ノ山温泉の桜、奈良県橿原街道沿いの15kmへの山桜、吉野山の桜などの植樹や管理指導がある。桜に関して収集した資料は膨大な数に及び、それらは兵庫県西宮市の白鹿記念酒造博物館で見ることができる。
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- 丹羽政光
- 移植を担った庭正造園の社主。当初笹部氏は外傷に弱い桜の特性を鑑み根や枝をむやみに伐らない運搬を提唱した。しかし根は100メートルも伸びており、伐採せずに運ぶことは事実上困難であった。根を掘り起こして無数の新根をみとめた丹羽氏は、伐採を断行。桜は見事根付き若芽を伸ばし、移植から10年の後花を咲かせた。
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- 佐藤良二
- 旧国鉄バス名金急行線の車掌。庭正造園の丹羽政光氏より依頼され、移植の様子を記録撮影した。無事根付いた荘川桜の姿に感動し、名金線沿いに桜を植樹することに情熱を注ぐ。約2000本もの植樹に携わったが病に侵され47歳の若さで逝去。その献身的な生涯は映画「さくら」などで広く知られることとなった。
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いつ咲くの?荘川桜
例年開花は4月中旬~5月初旬です。駐車場は普通車70台ほどが停められますが、シーズンには多くの方が観覧に訪れます。警備員の誘導にご協力ください。特に、3台以上の観光バスの団体様は第2駐車場へご駐車ください。
また、荘川桜公園のトイレは数に限りがあります。開花の時期にお越しの際は「道の駅桜の郷荘川」「ドライブインみぼろ湖」等事前にお立ち寄り下さい。皆さまのご協力をお願いいたします。
| 2026年ライトアップ |
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| 《期間》5月3日(日・祝)~5月5日(火・祝) 《時間》日没~21時 |
荘川桜は気むずかしや?
実は荘川桜の開花予想は極めて難しく、毎年観測していても一筋縄では行きません。まだ咲かないだろうと思っていたらあっという間に満開になり慌てたことは一度や二度ではなく、逆にそろそろ咲きそうな状態から何日も焦らされることも…。そんな気むずかしやの荘川桜、満開の情報を見逃したくない方は開花情報をチェックしましょう。
御母衣ダム
日本有数規模のロックフィルダム
春夏秋冬、美しい景色が見られる

御母衣ダムは建設当時、日本では前例のない規模の巨大なロックフィルダムでした。完成当時は「東洋一のロックフィルダム」「20世紀のピラミッド」とも称されたほど。その貯水量は現在においても国内2位の規模です(1位は県内にある徳山ダム)。一般水力発電所としても国内有数の出力を持つ発電所であり、ダム湖畔に建つMIBOROダムサイドパーク御母衣電力館・荘川桜記念館でその内容を詳しく学ぶことができます。

周囲は紅葉の名所として知られています。高山市街地より国道156号線で約1時間とアクセスも良く、静かな湖畔で美しい景色を独り占めすることができます。かつてここには多くの人々の集いや語らいがありました。今も湖底に眠る集落をそっと偲びながら散策するのも良いでしょう。
MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館
J-POWERが運営する施設。御母衣ダム建設にまつわる歴史やドラマ、発電所の仕組みを紹介する「御母衣電力館」、荘川桜の写真展示「荘川桜記念館」、ダムを眺望できる公園で構成されています。映像シアターは見ごたえあり。入館料は無料。
電話:05769-5-2012
時間:9:00〜16:00
休館日:毎週水曜(但しGW・夏休み・10月10日~11月10日は原則無休)、冬期休館
道の駅 桜の郷荘川
ドライブの休憩だけじゃもったいない?!
荘川の魅力をぎゅっと詰めこんだ道の駅
人気メニュー「鶏ちゃん定食」
レストランや特産品の売店、温泉までそろえた道の駅 桜の郷荘川。ドライブの休憩だけではなく、この場所もぜひ目的地の1つに加えましょう。荘川ICを降りてすぐの立地の良さと広い駐車場でストレスなし。
手軽に美味しいスナックから食べ応えあるメニューも充実して、ちょっとした立ち寄りから腹ペコのキッズまで大満足間違いなしです。

地元の農家さんが丹精こめて育てた農産物の直売所も目が離せません。みずみずしいキャベツやアスパラ、ほうれん草やトマト。作った人から手渡しされるような距離の近さが嬉しいですね。もちろん美味しさも保証付き!その他にも、飛騨の地酒や荘川名産の蕎麦など、品ぞろえ豊富で思わず目移りしてしまうほど。

たっぷりの湯量を誇る温泉「桜香の湯」も楽しみのひとつ。お湯に浸かってドライブで疲れた手足を伸ばせば、ついつい時間を忘れて長居してしまいます。車いすの方にも配慮された個室の貸切風呂があり、ファミリーで安心してご利用になれます。タオルの無料貸出も嬉しいポイント。何の準備もなく、思い立ってふらっと立ち寄ってもOK。
荘川に到着後のお昼休憩にも良し、お帰り前に立ち寄り、夕食もお風呂も1か所で済ませてゆっくり帰路につくも良し。1人でもファミリーでもくつろいで楽しめる「道の駅 桜の郷荘川」です。
ひだ荘川の魅力
まだまだある荘川の名所
滝、温泉、キャンプやアウトドア…とっておきの楽しさ
紅葉が美しい「魚帰りの滝」
桜の後にはササユリ、そばの花と素朴で愛らしい野草が次々と花開くひだ荘川。自然の恵み豊かな荘川は見どころが多く、四季折々の魅力があります。特に紅葉の美しさは筆舌に尽くしがたいほど。朝晩の寒暖差が大きいため山々が鮮やかに色づき、やがて来る厳しい冬を予感させます。主な観光名所をご紹介します。
- 魚帰りの滝
- 高山市荘川町 三尾河地区 旧軽岡峠口にあり、古来より名瀑としてうたわれてきました。庄川の清らかな流れを辿っていくと、心地よい静寂の…
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- 北野農村公園 ササユリ群生地
- 初夏に甘い香りを漂わせるササユリ。以前はどこででもみられた花ですが、近年になり減少しました。清楚で可憐なその姿は、気品があり、束…
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- 飛騨 荘川の里
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- 荘川の五連水車
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豊かな水の恵み「三谷自然水」
国道158号線沿いにある天然の湧き水。水温は四季を通して15度以下で無色透明、夏は冷たく、冬は温かく感じられるのが特徴です。大雨時も濁りが少なく安定した水質で、飲料水としても安全。地元の町内会が維持管理を行っています。道路反対側に車を停められます。じゅうぶん注意して横断してください。
ひだ荘川のグルメ
昔ながらの手打ち蕎麦はわざわざ訪ねたい鄙の味わい
寒ざらし蕎麦は初夏、新蕎麦は秋と長く楽しめる

滋味あふれる蕎麦を味わえる荘川町。特に6月ころから数量限定で提供される「寒ざらしそば」は蕎麦通にはたまらない逸品です。凍てつく1月下旬、大寒の日にそばを冷水に1週間浸した後、寒風にさらし旨味が凝縮した「寒ざらしそば」。主に5000食を町内の4店舗で提供します。詳しくはこちら⇒飛騨高山の名物「荘川寒ざらしそば」いよいよ解禁!
- 手打ちそば処 蕎麦正
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- そばの里荘川 心打亭
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- 里山茶屋 むろや
- 古民家が印象的な店内は、田舎ムードたっぷり。タイムスリップしたような空間でお食事ができます。おススメは、蕎麦とミニヒレカツ丼がセ…
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- 式部の庵
- 地元の山菜やキノコなどの山の幸を揚げた天ぷらや、荘川の郷土料理「どぶ汁」など、郷土色豊かなメニューを提供します。
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- 荘川ガレット(荘水館)
- 飛騨高山荘川町にある旅館荘水館内にランチ限定のガレット専門店地元飛騨高山荘川産そば粉を使用質の良い新鮮な材料にこだわり、地元の食…
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- 道の駅 桜の郷荘川
- 岐阜県高山市荘川町。豊かな自然の魅力を存分に味わえるこの地は、春は桜、夏はキャンプやアウトドア、秋は美味しい蕎麦、冬はパウダース…
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郷土の味わい「どぶ汁」
荘川地方の味覚として外せないのが「どぶ汁」。一風変わった名前の由来はどぶろくのような白く濁った見た目から。大豆をすりつぶし醤油で味を調えた汁物で、荘川町周辺では昔から振る舞われてきたもの。隣の白川郷では「すったて汁」と呼ばれています(すりたてが語源)。優しくてどこか懐かしい味わいのどぶ汁、ぜひご賞味あれ。
ひだ荘川の周辺情報
高山市街地から白川郷への途中にある荘川町
どちらの観光地にも足を延ばしやすい
白川郷荻町集落
合掌造り集落として名高い白川郷 荻町。荘川町からお車で40分ほどの距離です。世界遺産の指定を受けた白川郷は1年を通じて国内外から多くの旅行客を迎える人気観光地、時にはお宿やお食事処が満席になることも。荘川ICを利用しゆっくりとお食事を楽しんだ後、御母衣湖の景色を楽しみながら白川郷へ向かってはいかがでしょうか。
もう一つの合掌造りの里「相倉五箇山集落」
人混みを避けたい方は、県境を越え越中相倉五箇山集落を訪ねてみるのも良いでしょう。白川郷に比べ規模は小さいものの、落ち着いた佇まいの合掌造り集落をゆっくりと散策することができます。
名古屋からのアクセス
飛騨の入り口である荘川IC
高山も白川郷にも行ける便利な場所

東海北陸自動車道を利用し、名古屋からは約2時間。飛騨の入り口とも言える荘川ICまで一息です。
電車の場合はJR高山駅で下車し、路線バスに乗り換えて1時間20分。本数が少ないため、レンタカーを利用されると時間の短縮にもなります。
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