【3分で分かる】飛騨高根へようこそ

岐阜県高山市高根町は、雄大な山々の麓、豊かな自然と素朴な文化が息づく町。古くは野麦峠を越え、飛騨と信州2つの地を行き来する街道の要所でした。現在は標高の高さを活かした高地トレーニング、高地高冷野菜の一大産地として知られています。

【3分で分かる】飛騨高根へようこそ

飛騨高根を取り巻く雄大な自然

御嶽山、乗鞍岳の眺望

  • 御嶽山
  • 御嶽山
  • 乗鞍岳
  • 高根第二ダム
  • 杣が池
  • 大古井千本桂
  • 日和田高原
  • 青氷の滝

高山市街地より車を走らせ約1時間、ひだ高根に到着します。町を貫く国道361号線は信州へと続き、古くから人と物が行き交う地でした。標高も高く、冬の寒さもひとしお厳しい地です。そのため春の訪れが一足遅く、周辺ではとうに散った5月上旬ころに満開の桜を楽しむことができます。


御嶽山と乗鞍岳を一望

自然豊かなひだ高根の自慢は名峰 御嶽山と乗鞍岳を一望できる景観の美しさ。御嶽山はその神々しい姿が際立ち、独立峰ならではの雄大さ、そして信仰の山としての厳かな雰囲気をまといます。御嶽山の北端に位置する継子岳(ままこだけ)は、その形から「日和田富士」とも呼ばれ、特に紅葉の時期には言葉を尽くせない美しさです。また、なだらかな稜線が美しい乗鞍岳をも望むことができます。

飛騨御嶽高地トレーニングエリア

  • 日和田ハイランド陸上競技場
  • トレーニング風景

飛騨高根を含む、4つのトレーニングゾーンを擁する飛騨御嶽高地トレーニングエリア。トップアスリートが集まる高地トレーニングの拠点として注目されています。年間2万人以上のアスリートが汗を流し、確かな成果を持ち帰っています。また、一般の市民ランナーや、体力向上を目指すシニアの利用へも広く門戸を開いており、充実した施設を利用することができます。


日和田ハイランド陸上競技場

標高1,300mに位置する「日和田ハイランド陸上競技場」、6レーン完備で緑鮮やかな芝生に囲まれた自然豊かなグラウンドです。隣接している谷川は「天然のアイシング場」として利用でき好評です。このグラウンドからは乗鞍岳が一望でき、トレーニングの合間、美しい景色が選手の気持ちを安らげます。

飛騨高根の歴史、文化に触れる

日和田高原石仏めぐり

  • 石仏群
  • 石仏群
  • 石仏群
  • 原家跡

高根町日和田高原に点在する石仏群は、飛騨と木曽の文化が融合した独特の歴史と物語を秘めています。


600体もの石仏たち

旧鎌倉街道沿いや集落のあちらこちらにひっそりと佇む石仏、その数なんと約600体。同じ造りのものは1つとしてありません。特に秀逸な石仏は、遠く信州伊那谷の「伊那石工(高遠石工)」たちの手によって彫られたもの。その歴史と文化、職人たちの技が織りなす魅力に満ちています。

またこれらの石仏は、木曽馬と馬大尽原家と深く結びついています。馬頭観世音をはじめ、それぞれの石仏には、厳しい自然の中で暮らした人々と馬との絆、そして地域の信仰でもあった御嶽教が色濃く反映されています。


石仏めぐりガイドツアー

石仏周辺には解説看板が設置されており、QRコードを読み込むことで詳細なストーリーを知ることができます。またガイドを依頼し、周辺の見どころを巡るとより深く充実した時間を過ごすことができます。


日和田高原石仏めぐりガイドツアー
人数5名以上
料金¥1,500
電話特定非営利活動法人YIK
0577-59-2257

木曽義仲ゆかりの一位ノ森八幡神社

  • 一位ノ森八幡神社
  • 一位ノ森八幡神社
  • 一位ノ森
  • 縁結びのご神木
  • 木曽義仲・巴の駒掛岩
  • 木曽義仲駒掛岩

飛騨高根は、平安時代末期の動乱期を駆け抜けた武将 木曽義仲公との深い繋がりを持つ場所です。周辺には公にまつわる多くの伝承が残されており、波乱に満ちた生涯を偲ぶことができます。


一位ノ森八幡神社

代表的なスポットは一位ノ森八幡神社。創建は約840年前の養和元年(1181年)、源平合戦の最中飛騨地方に侵攻した木曽義仲公が、源氏の氏神である八幡大神を当地に勧請し、愛用の鉾や太刀などを奉納したのが始まりと伝わります。

約3,400平方メートルの広大な境内には約250本の樹木が生育しており、そのうち200本以上がイチイ(一位)の木です。このイチイの群生は学術的にも貴重で、イチイが優占種として生育する自然林として非常に稀有な例とされています。中でも最大のイチイは、幹の周囲が約2.85メートル、樹高が約10メートルあり、樹齢500〜600年と推定されています。この社叢(神社の森)は、昭和28年11月に岐阜県の天然記念物に、そして昭和50年3月には国の天然記念物に指定されました。境内のご神木は『縁結びのご神木』と呼ばれパワースポットとなっています。



長峰峠の駒掛岩

長野県との県境である長峰峠にも木曾義仲公の伝説が残ります。養和元年(1181年)挙兵の地 木曽は日義村から進軍、第一夜の陣を張った場所が長峰峠。旧街道筋にいかにも坐り心地のよさそうな平らな大きな石が2つ並んでおり「木曽義仲・巴の駒掛岩」の名で呼ばれています。

また、「木曽義仲駒掛岩」には義仲公の乗馬が勇みかかったときにできたと伝わる3つの蹄型のくぼみと1つの穴があります。このくぼみに溜まった雨水でイボを洗うと落ちると古くから言われています。

歴史街道 野麦峠

  • 野麦峠
  • 野麦峠まつり
  • 野麦峠まつり
  • お助け小屋
  • お助け小屋

標高1,672mの野麦峠からは雄大にそびえ立つ乗鞍岳が眼前に広がります。明治から大正にかけ、飛騨地方の若い女性たちが信州の製糸工場へ出稼ぎに通った峠道。厳しい峠越えの中で工女たちが経験した苦難や、故郷への思い、日本の近代化を支えた勤勉な姿に心を揺さぶられます。


野麦峠お助け小屋

峠には、工女たちが休んだとされる「お助け小屋」があり、映画「あゝ野麦峠」の貴重な資料も展示されています。お助け小屋の由来は江戸時代にさかのぼります。「厳しい峠越えにより命を落とす者が多いことから、小屋を建て、番人を置き、峠越えをする者を救いたい」という願いを幕府が聞き入れ、1841年(天保12年)に建てられました。雪の峠を越えた工女達が体を休めたのも、このお助け小屋です。現在のお助け小屋は、昭和45年に野麦集落の古い家屋を移築したものです。毎年5月1日山開きが行われ、11月中旬までの通行者の安全が祈願されます。


野麦峠まつり

毎年5月下旬には、長野県松本市奈川地区と合同で「野麦峠まつり」が開催されます。工女に扮した地元の子どもたちが旧野麦街道を歩く「旧野麦街道糸引き工女行列」が行われ、当時の苦難を偲びます。郷土芸能の披露や、地元の特産品を販売するバザーなども開催され、賑わいを見せます。

連載コラム 市民ライター取材記事

【江戸街道をゆく】朝日町・高根町の旧街道を深掘りする

当サイトで市民ライターとして活躍するシモハタエミコさん。歴史と文化に目がない彼女が朝日町~高根町の街道をディープに解説!郷土料理のすなや火畑そばの食レポ付きで飛騨高根が隅々まで分かります。

※記事は2025年10月の執筆です

【江戸街道をゆく】朝日町・高根町の旧街道を深掘りする

飛騨高根が育む様々な特産品

標高の高さを活かして栽培される農産物

  • タカネコーン
  • タカネコーン
  • 飛騨ほうれん草
  • 飛騨ほうれん草
  • 火畑そば
  • 火畑そば
  • 火畑そば
  • 独特な漬物「すな」

標高1,000mを越える飛騨高根。真夏でも25度前後という快適な環境は、恵まれた野菜作りの土壌ともなりました。


味わい豊かな高原野菜、滋味豊かな蕎麦

まるでメロンのような甘さを持つタカネコーン、その美味しさと味わいは他と一線を画し、ファンは収穫の日を楽しみに指折り数え待っています。

夏の暑さに弱いほうれん草は、夏でも冷涼な高根町の気候がぴったり。さっと湯がいただけで美味しく、素材そのままを活かしたい高級料亭御用達の逸品です。徹底した温度管理のもと出荷され、主に関西地方で消費されています。

「火畑蕎麦(ひばたそば)」は栄養満点、ミネラル豊富な蕎麦です。秘訣は春の野焼きと収穫前に霜にうたせること。小粒ながらも香り高いとして蕎麦通に愛好されています。毎年10月第3土曜日に収穫祭を行い、集まった参加者は暖かいかけそばを堪能します。


健康食品として注目される漬物「すな」

「すな」は、高山市高根町の日和田地区、小日和田地区、留之原地区に古くから伝わる冬の保存食。塩を一切使わずに乳酸発酵させた強い酸味が特徴の赤かぶの漬物です。岐阜県食品科学研究所が、「すな」から取り出した優良な乳酸菌を「高根株」として特許出願しており、同所の分析で、血圧を下げる作用が期待できる量のGABAや、貝類などに多く含まれるうまみ成分のコハク酸が含まれることも判明しています。町では古くからの伝統食「すな」を新たな健康メニューとしてレシピを考案。町内の宿泊施設やレストランで提供しています。

お買い物はここで!

道の駅 飛騨たかね工房

タカネコーンや火畑そば、発酵食品すなが買えるのがここ、道の駅 飛騨たかね工房。日和田高原の杣ヶ池(そまがいけ)に残る龍伝説にちなんだ、白い龍の頭が目印。他にはない珍しい特産品を多く取り扱っています。

道の駅 飛騨たかね工房

廃校跡地を活用 飛騨初のウィスキー造り

  • ウィスキー樽も飛騨産
  • 体育館に鎮座する蒸留器
  • 木彫りのウィスキーキャット
  • メッセージの残された黒板

旧高根小学校は開校以来地域の子どもたちを見守ってきましたが、2007年、人口減を理由に廃校となりました。地域の方にとって思い出の詰まるこの学校、廃校後も校内は定期的に清掃されピカピカ。「小学校最後の日」に子どもたちが書いた黒板のメッセージは長年消されることなく、現在も保存されています。建物を次世代に引き継ぎ、跡地を活用するプロジェクトが始まりました。


飛騨高山蒸留所として歩む新たな道

飛騨高山蒸溜所として生まれ変わった高根小学校。各教室には樽が貯蔵され、校舎から体育館へと続く通路には麦芽を挽くモルトミルを設置。体育館ステージには、蒸留器が鎮座しています。多くの人が紡ぎ続けた歴史と、雄大な大自然が調和する高根町から、高品質なクラフトウイスキーが誕生します。

連載コラム HIDABITO

#027 飛騨高山蒸溜所 有巣 弘城 氏

飛騨高山の古い町並で酒造店を営む若き経営者が新しい酒造りに挑戦!その熱い思いの丈を語ります。初の飛騨高山ウィスキーは2026年秋に完成の予定。

#027 飛騨高山蒸溜所 有巣 弘城 氏

飛騨高根ならではの地域色あふれるイベント

素朴な風情に郷愁の思いが沸き起こる

  • 野麦学舎祭
  • 野麦学舎祭
  • 野麦学舎祭
  • 野麦学舎祭
  • 野麦学舎祭
  • 野麦峠まつり
  • 野麦峠まつり
  • 野麦峠まつり
  • 火畑そば収穫祭
  • 火畑そば収穫祭

高山市街地より車で約1時間の高根町。雄大な自然は時に過酷な厳しさをも与えてきました。地域に住まう人々にとってお祭りごとは何よりの喜び。素朴な鄙の楽しみにあふれたイベントをご紹介します。


野麦峠まつり

毎年5月下旬、長野県奈川村と共同でかつて信州へ出稼ぎへ行った工女を偲び、「野麦峠まつり」を開催しています。当時の衣装を着て旧野麦街道を歩く行列に参加することができます。高根名物「火畑そば」や囲炉裏で焼く岩魚の塩焼きなど、山の幸を楽しむこともできます。


野麦学舎祭

毎年8月中旬に旧野麦小学校校舎を利用し夏祭りが開催され、レトロで温かみを湛える純木造の校舎に、多くの催しを楽しみに老若男女が集います。子供が楽しむクラフト作り、国内の著名なアーティストが出演するライブ演奏、人形劇や演劇。縁日で遊び、食べ、綱引きに汗を流し、フィナーレはみんなで踊る「野麦イササ」!夏でも涼しい飛騨高根が、みんなの熱気で暑くなる1日です。


火畑そば収穫祭

毎年10月第3土曜日に新蕎麦を楽しむ「火畑そば収穫祭」が開催されます。飛騨高根の自慢の火畑そばはミネラル豊富で香り高い逸品!収穫量が多くないため希少な一杯、暖かいかけ蕎麦でぜひご賞味ください。

野麦峠まつり
~明治・大正・昭和の日本を支えた当時の工女たちを偲び、歴史ある旧野麦街道を共に歩く~第43回野麦峠まつりは天候を考慮し、規模を縮…
野麦峠まつり
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野麦学舎祭
飛騨高山の奥座敷、『あゝ野麦峠』で知られる交通の難所に小さな小さな分校がありました。1981年に廃校となり、一度は取り壊しが決まった…
野麦学舎祭
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火畑そば収穫祭
『火畑蕎麦収穫祭』大自然に囲まれた道の駅「飛騨たかね工房」で、秋の味覚を堪能しませんか?『火畑蕎麦』とは、標高1,000メートルを超…
火畑そば収穫祭
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飛騨高根へのアクセス

日本の真ん中 岐阜県、その北部に位置する高山市高根町
詳しい場所を見てみよう


高山市の位置

高山市は岐阜県の北部に位置します。高速道路で各地と繋がっており、アクセスはスムーズです。お車でお越しいただく他、JRや高速バスを利用するのが一般的です。

お車でお越しいただく場合は中央自動車道を利用するのが便利です。



飛騨高根の位置

高山市街地より高根町までは、お車で50分ほどです。路線バスや旅館の送迎サービスもありますが、主要な観光スポットまで公共交通機関のみで往復するのは難しく、レンタカーやタクシーと組み合わせて利用されるのが良いでしょう。 


車でお越しの場合
東京~高根(中央道伊奈IC・国道19号・361号経由)約5時間
名古屋~高根(中央道中津川IC・国道19号・361号経由)約3時間


電車でお越しの場合
東京(東海道新幹線)⇒名古屋(特急ひだ)⇒高山約5時間
新大阪(東海道新幹線)⇒名古屋(特急ひだ)⇒高山約4時間
名古屋(特急ひだ)⇒高山約2時間

飛騨高根の観光スポット

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