冬こそ美しい飛騨高山、魅力あふれる風景を写真でめぐる

冬の飛騨高山は、雪や霜の白さが町や山を優しく包み込みます。

粉砂糖を降ったような木々、町並みから少し歩けば静寂が待つ神社や仏閣、そして遊歩道では生き物たちの息吹…

地元大好きな私が撮りためた写真でめぐる【飛騨高山の冬の魅力】をお楽しみください。

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冬こそ美しい飛騨高山、魅力あふれる風景を写真でめぐる

高山陣屋から赤い「中橋」経由で古い町並、宮川朝市へ

飛騨高山の冬の風物詩「雪吊り」や、冬ならではの景色をどうぞ


「雪吊り」は雪の重みで木の枝が折れることを防ぐ伝統的な保護方法です。

中心に立てた支柱から縄を放射状に張り、木の枝を吊り上げることで積雪による負担を分散させます。

その木の特徴的な姿は冬の風物詩の一つです。

高山陣屋の庭木もまた、美しく張られた縄によって冬の寒さから守られています。 

この雪吊りは、公共の場だけでなく、市内の料亭の庭や宿泊施設など、様々な場所で見られます。飛騨高山を歩きながら、ぜひその姿を探してみてください。





飛騨高山を代表するスポットの一つ、赤い欄干で有名な「中橋」。

赤い欄干に積もった雪はまるでスイーツのよう♪気温が上がるとするりと落ちていきます。


古い町並に雪が降り積もる様子も素敵です。雪の白と建物の濃い色のコントラストの美しさをぜひご堪能ください。

夜にはさらに街灯の温かい光が雪に映え、人通りも少なく静かです。


道路に積もったばかりの新雪は確かに美しいのですが、実はその光景をゆっくり見られる時間は長くありません。

なぜなら、雪が踏み固められて凍結すると大変危険な上、歩きにくくなるため、地元の皆さんが積もった端からすぐに雪かきをするからです。


上三之町だけでなく、高山市内の道路脇の側溝に蓋がない部分が多いのは、このかき集めた雪を側溝に入れやすくするためでもあります。

しかし、その側溝に雪を流し込むやり方にも暗黙のルールがあり、こうした地域に根付いた生活の知恵によって、冬の安全が守られているのです。






古い町並みを抜けたら宮川沿いの「宮川朝市」へ。

鍜治橋の両側に建つ「手長足長」もちょっと寒そうですね。





冬は農産物が少ないため出店数が減ることもありますが、冬ならではの楽しみもあります。

例えば「ノアドココ」さんの飛騨高山「ホットプリン」♪

通常でも十分に美味しいプリンですが、身が縮むような寒い日には、この温かいホットプリンが格別です。


また、地元農家さんが冬の間に作る様々なお漬物や、旬を迎える飛騨高山産のリンゴなどもおすすめです。

どれも逸品揃いなので、ぜひ味わってみてください!


私がよく寄る宮川朝市お店の情報はこちら↓


 ☆すべて手作り♪元祖!飛騨高山プリン「ノアドココ」


 ☆みだらし団子と五平餅「みだらしだんご屋 tocco」


 ☆宮川朝市の素材とエゴマを味わう絶品汁もの「朝ノ壱汁」


 ☆バラエティ豊かな飛騨高山産お味噌「糀屋柴田春次商店」 ※試食もできます


 ☆何か国語!?も操る!とにかく美味しいこくせんのお店「谷松」 ※試食もあります


 ☆安全安心なお野菜から作られる美味しいものたち「よしま農園」


 ☆飛騨ネギと能登のタコの優しいコラボ「たこ焼き さごう」


 ☆素敵な着物と着物の小物「古今、日ノ輪堂」 ※雨・雪の日はお休み


※それぞれInstagram等で出店情報をチェックしてみてくださいね。店主の笑顔も素敵です!



さらなる静寂の世界…冬の神社の雪景色

神社の雪景色を見たことがありますか?
新緑も秋の紅葉も綺麗なのですが、雪景色は一番心洗われます


雪景色の飛騨東照宮。池にかかる赤い橋と本殿に続く長い石段、そして降り積もる雪が見事なコントラストです。

訪れる人が少なく、最初の足跡をつけながら歩くのも贅沢な時間となります。

2025年の冬はたくさんのウサギの足跡を見つけました。夜から早朝にかけて活動しているようで、まだ新しい足跡からはウサギの息遣いまで伝わってくるようでした。





春の高山祭で有名な日枝神社。 祭りの賑わいとは対照的に冬の境内はとても静かで、神秘的な空気に包まれます。

参道の灯籠と石畳に積もる雪と木々に積もる雪がモノクロの視界を作り出し、冬だけの景色が生まれます。

凛とした空気に響く自分の息づかいを感じながら歩く参道は格別です。




飛騨護国神社は高山市図書館から徒歩約2分、古い町並からも近く、徒歩での観光の途中でも立ち寄りやすい神社です。

春は桜がきれいなお堀の周りですが、冬はまた違う表情と厳かな雰囲気を味わうことができます。


お堀にかかる参道の石橋に雪が積もる景色、そしてその石橋から見るお堀の雪景色、ぜひその両方をお楽しみください。

【飛騨の里】の冬は合掌造りの雪景色と囲炉裏で昔話の世界観

冬の【飛騨の里】はまるで昔話の中に入り込んだかのような静けさと、寒さの中の温かさを感じます。
雪化粧した茅葺き屋根、囲炉裏の火…やわらかな冬の物語にタイムスリップはいかがですか?

雪がそっと降り積もり、合掌造りの屋根が真っ白な綿帽子をかぶる冬の飛騨の里。

雪は音を吸収して、キリッとした空気の中にもどこか柔らかさを感じます。 

静かに雪を踏みしめながら集落を巡ると、古い木造の家々と雪景色がつくり出すコントラストが、まるで絵本の世界のように広がります。


散策の途中で立ち寄る古民家では、囲炉裏の火にあぶられた香ばしい焼き餅と、素朴な味わいの飛騨の伝統漬物をいただけました。

写真の豆餅はほんのりと塩味がする飛騨高山の名物の一つです。

(※焼き餅のふるまいは、例年1月中旬~2月の日にち限定で開催されています。)


係の方がお餅を焼いてくださる姿までも物語のようで、日常を離れる不思議な感覚です。

温かいお茶を手に、ゆっくりと湯気を眺めれば、体も心もほっこりと温まります。



池を中心とする里内から山々を見渡せば、冬ならではの静寂と美しさが折り重なり、思わずカメラを構えたくなる瞬間がいくつも訪れます。 

雪をまとった木々に陽が当たると現れるキラキラ玉ボケや、茅葺屋根の隙間から立ち上る囲炉裏の煙。 

さらに寒い日には氷が張る池の景色、晴れた日には町の向こうに見える真っ白な北アルプスの山々。 

飛騨の里の冬は、訪れる人に優しい時間と特別な景色を届けてくれます。


城山公園で冬の生き物の息吹を感じ、町の展望に出会う贅沢な散策を

古い町並から徒歩約10分ほどの城山公園の遊歩道で生き物と町の息吹を感じる散策はいかがですか?

雪の城山公園…二の丸公園の広場。 雪をかぶった金森長近像はいつもより凛々しく感じます。


こちらの公園の駐車場は冬でも雪かきされており、また公衆トイレも使えるため便利です。(※大雪すぎる場合は閉鎖されることもあります。また車の場合は坂道が急なので、効きの良いスタッドレスタイヤが必要です。4WD車ならなお良いですね。)



豊川稲荷神社の赤い鳥居は雪景色によく映えますね。

こちらは新緑や紅葉も綺麗なスポットです。



豊川稲荷前の道。タイヤの跡、人の足跡、そして右側はニホンカモシカの足跡です。

街からすぐ近くで人と動物の営みが交錯する…そんな城山公園が私は大好きです。

交錯するとは言っても、実際姿を見ることはそんなにありません。やはり人の手が入っている場所、人のいる時には動物たちはそんなに姿を見せません。



そんな中、一番遭遇率が高いのがニホンカモシカです。

動きがとてもゆっくりなので居たとしても気づかない場合もありますが、ふと視線を感じると…覗かれていたりします。

彼らは臆病なので目を逸らしません。おかげでカメラ目線の写真がたくさん撮れます。たまに気にされないこともあります。

城山にいるニホンカモシカは黒に近い個体が多いので、熊に間違われないか心配になります。

冬でも食べられる葉などを探して健気に生きている様子を見ると応援したくなりますね。



ホンドリスは冬でも元気です。この子は大きなモミの木の幹をぐるぐると周りながら降りてきました。

そして目が合う…。あ、見られてたか!

野生のリスに会えることはなかなかないので会えると嬉しくなります。



冬は広葉樹が葉を落とすので野鳥が見つけやすい時期でもあります。

氷点下の朝でも活発に飛び回るシジュウカラ。

薄く積もった雪が陽に当たり、風が吹くとキラキラと舞いながら落ちていく…。

こんな景色が見られると何とも贅沢な気分になります。


遊歩道沿いの木々からもよく雪が落ちてきますので、散策の際は防水の上着と帽子をご着用くださいね。



如意が丘の展望台から見る高山市街地の雪景色。古い町並にある造り酒屋から立ち上る白い湯気が見えています。

酒造りも飛騨加山の冬の景色の一つですね。



冬の完全装備で散策すれば、雪遊びを楽しむこともできます。

二ノ丸公園のほかにも、こぶし平などの広場には誰かが作った雪ダルマが良く並んでいます。

雪遊びを楽しまれる際には怪我の無いよう、また木々や植物を傷つけないようご注意ください。




冬の高山を安心して楽しむためのワンポイントガイド

高山の冬は美しさの一方、雪国ならではの厳しい寒さや雪道もあります。
せっかく来ていただくなら、寒さで震えるより景色も写真も楽しんでいただきたい♪という気持ちを込めて、冬の旅支度のヒントをまとめました

靴は防寒・防滑、そしてできれば防水を。

 スニーカーは……雪の上では意外とすべる名人…特に横滑り注意です!


気温は時に–10℃以下。服装は“観光地仕様”ではなく“雪山寄り”が安心。

 ヒートテックなどの温かい下着・手袋・耳まで覆う防寒具があると快適です。


帽子は“おしゃれ”かつ“安全”をめざして。

 転倒対策+屋根や木から落ちてくる雪よけにも役立ちます。


歩き方は“すり足気味”&“かかとで着地しない”

 足裏全体でそっと踏むと転びにくくなります。かかとで着地すると危険な後傾姿勢に!


側溝のフタが開いているところには要注意。

 雪を入れるために開いていることもあります。

 雪で隠れて「そこにあると思ったのに!」状態になることがあります。


車で来る方はスタッドレスタイヤが必須。ノーマルタイヤは「ダメ絶対」

 タイヤの溝や硬さもチェック!“履いてるだけ安心”ではなく“ちゃんと効く状態”が大事。

 タイヤチェーンはあくまで“緊急用の奥の手”として。

 いつもより広い車間距離・停止線より手前の停車などとにかくゆとりを持った運転が大切です。


雪国の公共交通機関はたくましい。頼ってください。

 雪があっても高山市内の鉄道・バス・タクシーはほぼ通常運行します。

 ※雪崩の恐れがある場合は運休の可能性もあります。


スマホのバッテリーは冷気に弱い!

 写真を撮るほど消耗が早いので、モバイルバッテリーが頼れる味方です。


手袋は“撮影できるタイプ”が便利。

 素手でカメラ操作 →「さむっ!」→30秒が限界!

 これは雪国あるあるです。


新雪にダイブは危険なんです!

 新雪や雪の吹き溜まりに飛び込まないでください。

 雪の中に大きな石や、鋭いものが隠れていることがあり大けがをすることがあります。


《最後にひとこと》

冬の飛騨高山は、準備さえしっかりすれば寒さも雪道も“旅の楽しみの一部”に変わります。

どうかあたたかくして、ゆっくり歩いて、冬の高山をめいっぱい楽しんでください。


雪の日のJR高山駅、雪の積もった線路を進む列車はとても頼もしく感じます

ライタープロフィール

しもや ゆかり
高山生まれ、7学年差兄妹の子育て中。2018年から始めたカメラが今ではライフワークとなりました。
地元飛騨高山が大好きで、市内の身近な遊歩道などで自然、景色、動物やキノコをよく撮っています。
スキーやカフェ巡り、神社仏閣も大好きです。
しもや ゆかり

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